この日この時がずっと続きますように



死ぬのは怖いのでしょうか?
私は死というものを知る前に死にました。
それは子供の頃です。
本当にササイな出来事で死にました。
しかしなぜか私はココにいます。
幽霊って人には見えないと聞きましたが
お母さんにもお父さんにも見えるし学校の友達とも普通に会話したり遊んだりします。
さらに驚くべきことに3歳ぐらいに死んだはずの私が成長してるのです。
ホントウに驚きました。
小学生が終わり中学生が終わりいまは高校三年生です。
いまは受験勉強に追われている普通の受験生です。

いつも学校の図書室で勉強をしています。
別に私は家でも勉強できますが・・・
実は彼氏がいたりします。
あはっ、なんか恥ずかしいですね。
彼氏の明石誠(あかいし まこと)です。
通称、まこっちゃん!自慢じゃないですがカッコイイです。
クラスに皆はそう思ってないところが残念です。
一緒の大学にいこうね、ということで1ヶ月前から一緒に勉強をしているのですが
まこっちゃんは頭がよくて、私は少々頭が悪いです。
少々ですよ!少々!

あ、まこっちゃんがきました!

「あれ、アヤもう来てたんだ」
「えっ、うん。ほら私、勉強できないから少しでも置く勉強しないと」
私がこう言うと、まこっちゃんはいつも「大丈夫だってアヤならすぐ俺に追いつくよ」
といって髪をくしゃっと撫でてくれます。
まこっちゃんはとてもやさしいです。
フとしたことで手が触れ合ったりするといつもお互い顔を背けます。
私と同様まこっちゃんも顔が赤いのかなぁ?見てみたいのですが恥ずかしくて見れません。
今日こそは!と思っているのですがいつも恥ずかしくて見れません。
今は最高に幸せです!
この日、この時が一生続けばいいのになぁと最近おもいます。


いつものように、朝は早めに家をでます。
自転車通学もOKなのですが歩いて行くのが好きです。
私は、景色を眺めるのがとても好きなのです。
そしてこの時間、歩いていると隣のおばあちゃんが反対側からやってきます。
いつも「おはようございます」、といっておばあちゃんが「いってらっしゃい」というのが日課です
そしていつものようにおばあちゃんと会いました。
「おはようございます」、私はいつものように挨拶をしましたがおばあちゃんはそのまま歩いていきます。
アレ?どうしたんだろう・・・そんなことを思いましたが考え事でもしていたのだろうと思い学校へ向かいます。


まこっちゃんはいつもチャイムがなる2、3分前にやってきます。
ハアハアいいながら息を切らして、汗だくできます。
私は一緒に朝行かないかと誘ったのですが眠いからイヤだ。と断られました。
とても残念です。
でいつものように学校へ行きともだちのユキと話します。
「明石とはどうしたのよ?」
「えー、別にまこっちゃんとはなにもないよ?」
「彼氏がいる人は余裕ですねー、あ゛〜私も彼氏ほしぃぃぃ」
こんな感じのやり取りを毎日続けています。
意外に同じような話が毎日続くモノなんだなぁと初めて知りました。

放課後になると私は真っ先に図書室にむかいます。
まこっちゃんより早く図書室にいたいのです。
なぜかそう思います。なぜでしょう?
わかりませんがいつもどおり勉強しながら待ちます。

そしてまこっちゃんがはいってきていつものようなやり取り。
しかし今日はスゴイことが起こりました!
なんとまこっちゃんとキスしてしまったのです!
偶然です。多分偶然です。唇と唇が少し触れ合っただけです。
でもモノ凄く顔が赤くなったと思います。
それからはまこっちゃんの顔が見れませんでした。
本当のキスをしたら私は壊れてしまうのではないかと少し心配になります。

私は、今、夕暮れ時の公園にいます。
まこっちゃんとキスしてからなんだか頭がぼーっとします。
カラスがカーカー鳴いているので帰ろうと思いますがなぜかココを離れたくない気分でした。

ハっと気がついたときには日は落ちてあたりは暗くなっていました。
急いで帰らないといけません!私のお父さんとお母さんは心配性なのです。
私は一生懸命走りました。
家に着いたのですがお父さん、怒ってるかもしれないので少し心配です。
でもいつまでも家の前にいるわけには決心して家に入ります。
「ただいまー」
少し小さめの声で気づかれないように言ったので誰も気づきいないようです。
恐る恐るリビングに入って「ただいま」といいました。
しかしお父さんとお母さんはなにも言ってくれません。
怒っているのかなぁ・・・「ごめんなさい」と謝って自分の部屋に行きます。
お父さんもお母さんも話しかけてくれないのでチョット涙がでました。


起きたら朝になっていましたいつの間にかに寝てしまっていたのでしょう。
早く寝たので起きたのは早かったです。
5時30分を少しまわったところです。
「お風呂、はいらなきゃ」そう思ったのでお風呂に入ることにします。
そのほかにも予習復習しないといけないのでチョット時間が足りないかもしれません。

お風呂をでて6時から7時まで勉強したのでそろそろ朝ごはんを食べて学校に行く準備をしないと・・・
というわけでまずは時間割をしてからリビングへ行きました。
「おはよう」
お父さんとお母さんはなにもいってくれませんでした。
とても悲しくなってきたのでそのまま学校に行くことにします。
ぼーっとしながら学校へ向かいます。
いつもより足取りが重いです。
今日帰ったら許してくれるかなぁそんなことを考えているせいだと思います。
やっと学校について席についたころには皆すでに席に座っていました。
いつもより早く家をでたのにいつもより遅く着いてしまいました。
「ユキ〜〜〜」
とユキに話しかけに行きます。
でもユキはなにも言ってくれません。
何か悪いことしたのかなぁ、それともユキの機嫌は悪いのかな・・・
お父さんとお母さんのことと言い無視されるのは精神的ダメージが大きいです。
仕方が無いの席についてぼーっとしているとまこっちゃんがきました。
来たとたんユキと話しています。
私も行こうと思ったのですがちょうどそこで先生がきました。
「せきつけー、出席とるぞー」
先生が一人一人、名前を読んでいます。
「あれ?アヤは休みか!?」
先生がいきなりそういったので私はとても驚きました。
「あ、今日はまだきていないみたいですよ」
ユキは先生にそう言いました。
「ねぇ、明石?」
「えぇ?あぁそうだな」
気づいたら私は席に座って泣いていました。
友達のユキやクラスの皆なによりまこっちゃんに無視されたのがとても悲しいです。
私が何かしたのでしょうか?どうしたら私は許してもらえるのでしょうか?
その方法がわからない私には泣くしかありませんでした。

私は放課後までずっと席で一人で泣いていました。
ボーっと歩いて図書室にやってきていました。
図書室にきてもなにも無いのに・・・
でも淡い期待と共に図書室でまこっちゃんを待つことにしました。

「あれ!?アヤ、今日学校休んでたんじゃないのか!?」
「きてたよっ!」私は泣きながらまこっちゃんにそういいました。
「でも一時間目からせきにいなかったじゃん!?」
「いてたよっ!皆して無視して!!!」
「えぇ!?本当に席にいなかったぞ!」
まこっちゃんと言い争いをするのはコレが多分初めてです。
そんなことを言い合ってるうちに突然意識が違う世界にいった様な間隔に陥りました。

あれ?なんだか記憶が・・・

目の前でバラバラなパズルが組み合わさっていきます。
全てのピースがつながった瞬間、私は全てを理解しました。

そうだ・・・私、死んでたんだ。
ずっと普通の生活をしていたから最近、忘れていた。
そうだったんだ・・・
涙が止まりません。

「おい!アヤどうしたんだ!?」
まこっちゃんが私にそういった瞬間意識が戻ってきました。
私は泣いていました。
まこっちゃんだけには伝えないと私の事と私の気持ちを・・・
「まこっちゃん、大事な話がるの」
「え!?なんだよ?」
「落ち着いて聞いてね、私、実はしんでるんだ。」
そういった瞬間また私の瞳は涙で溢れます。
「はぁ!?なにいってんだよ!?アヤは俺の目の前にいるだろ!」
「でも朝、私が見えなかったでしょ、昨日からお父さんとお母さんにも見えなかったし声も聞こえないかったみたいなの」
「冗談だろ!?」
「じょうだんじゃ、ないんだ」
「え?マジかよ!?意味わかんないよ!どういうことなんだ!説明しろよ!」
「私ね、実は幼い頃死んでたんだ。でも今まで普通に生活してたから全部忘れてたんだ。」
「って、もしかしてコレでお別れとかいうんじゃないだろうな!?」
「・・・ざんねんだけど・・・・・・私はもうすぐ消えてしまう、この世からみんなの記憶とともに」
「なんでだよ!一緒の大学いくんじゃなかったのかよ!一緒に・・いっしょに」
まこっちゃんも大粒の涙をこぼしながら泣いていました。
でも私の言うことを信じてくれたみたいです。
「どうやらもう、おわかれみたいだね。最後はね、最後は笑ってさよならしよ。」
私は涙であふれた、目をふいて、笑った。
まこっちゃんも同じように笑ってくれた。
「もしね、もし、15年たっても私のことがまだ好きなら、この日この時間この場所に来てください。さようなら」
そういってまこっちゃんに抱きついてキスをした。

私の夢だったから――



そして耳元でこう、ささやきます
15年たっても好きでいてください―――――



あとがき

『この日この時がずっと続きますように』どうでした?
面白ければ幸いです
今回の作品はラブストーリしてます
書いてて凄く恥ずかしかった記憶が・・・・・・(笑
いやもうコレについては多くは語らん。
だって恥ずかしすぎですから(笑




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